2021年04月14日
幻視芸術のような・・・
金魚に魅せられた創作作家であり、現代美術家である「深堀隆介」氏の
写実を超えたリアリティな世界を体験しに、美術館へ行って来ました


おてきちは初めて知った作家だったのですが。。。
メディアなどでは金魚絵師としても知られる、名の知れた作家のようです。

作品の特徴としては、透明な樹脂にアクリル絵の具で金魚を断面的に描き
何層にも重ねて行くことで、本物と見間違うような?リアルさを追求した作品で
絵画でありながら、見る者には立体的に見えるといった不思議さがあり。。。
これまでにあまり体験したことのないような手法は、2.5Dペインティングと
呼ばれる【積層絵画】と呼ばれるものらしく、世界的にも高い評価を得ているそうです。

観覧客も思っていたよりも多く、大人から子供まで男女様々でしたが。。。
観る人たちの表情が、ホントにキラキラ輝く眼で興味津々に、しかも熱心に作品に
のめり込む用ようにして観ている姿を見て、こういう作品こそ本物というか
魂が揺さぶられる作品なんだな・・・と素人なりに実感(笑)
さすがは超絶技巧の絵師、スーパーリアリズムの申し子と言われるだけはありますね。

そして、おてきちはというと。。。
確かに深堀金魚は美しかったです


こういった作品が、これまでに無かった?という事の方が逆に不思議というか。。。
深堀氏が芸術に目覚めたキッカケは、祖母が長崎でお茶の先生をされているらしく
子供の頃、長崎へ遊びに行くと茶室にいっぱいあった茶碗を見るのが大好きで
その影響もあってか、美大へ行ってデザイン科を学ばれたそうです


でも最初に興味を持ったのは、やはり陶芸だったんですって(笑)
子供の頃に受けた衝撃というか、影響って大きいんですね・・・。

この題材であるテーマの金魚に辿り着くまでは、それなりに時間も要したらしく
ある日「ああ、もう美術なんてヤメテしまおう・・・」と思った時があったそうです。
その時、ふとベッドの横にあった小さな水槽が目に留まり、そこには7年前の夏祭りで
すくって来たメスの金魚が一匹、汚れた水の中でフンまみれになって泳いでいるのを
水槽の蓋を開けて彼女を上から見たその時、背筋がゾクゾクっとして。。。
汚れた水の中で赤く光る彼女の背中は怪しく、そして最高に美しかった。
「この子がきっと僕を救ってくれる」
そう信じて赤い絵の具を取り出し、彼女をモデルに筆を走らせた。
楽しい!楽しい!楽しい!
僕の探していた答えが、ヨーロッパでもなくアメリカでもなく
まさにこの部屋にあった・・・。
僕はこの日の出来事を「金魚救い」と呼んで、大切にしている

~深堀隆介作品集「平成しんちう屋」図録より一部参照~

この「平成しんうち屋」の中にある、しんちう屋(真鍮屋)というのは江戸時代初頭に
不忍池に実際に在ったという、日本で最初の金魚店の名前なんだそうです


当時は養殖&小売りを同じ人物がしていたらしく、店の周りには金魚のいけすが
たくさんあって、キラキラと黄金色に輝くいけすの様子は江戸の人々の心をつかみ
大変話題になったんだとか。。。

深堀氏は作品の中で表現したいのは、そういうキラキラ
とした一瞬の色や光なんだそうです。
長い時間、金魚を描き樹脂で水面を創っていると、その揺らぎの中に一瞬、普段は見えない世界が
映り込むことがあるらしく・・・金魚を描くということは、その水面に映る幻に目を凝らすような
そんな感じなんだそうですよ


モネの睡蓮からも色々と学ばれたようで。。。
あの作品は睡蓮を描きたかったのではなく、睡蓮は水面を表すための素材に過ぎない。。。
遠近法で描かれているだけで、急にそこに空気ができる。
表面についた絵の具の塊が凸が凹になるみたいな・・・
不思議なトリックアートのような感覚があって、全ては「モネの目」が見たままを描いている。
なので、人の目を意識した絵ではない。
などなど、図録には深堀氏の興味深い芸術に関する見解が示されていました

ちなみに最後の写真は、おてきちも深堀氏に影響を受けて。。。
家の冷蔵庫にあった「キラキラ」するモノを撮ってみましたよ(笑)
81歳の友人の奥さんが作られた、寒天菓子です


グミのような食感で、甘いモノがちょっと欲しい時に頂いています
写実を超えたリアリティな世界を体験しに、美術館へ行って来ました



おてきちは初めて知った作家だったのですが。。。
メディアなどでは金魚絵師としても知られる、名の知れた作家のようです。
作品の特徴としては、透明な樹脂にアクリル絵の具で金魚を断面的に描き
何層にも重ねて行くことで、本物と見間違うような?リアルさを追求した作品で
絵画でありながら、見る者には立体的に見えるといった不思議さがあり。。。
これまでにあまり体験したことのないような手法は、2.5Dペインティングと
呼ばれる【積層絵画】と呼ばれるものらしく、世界的にも高い評価を得ているそうです。
観覧客も思っていたよりも多く、大人から子供まで男女様々でしたが。。。
観る人たちの表情が、ホントにキラキラ輝く眼で興味津々に、しかも熱心に作品に
のめり込む用ようにして観ている姿を見て、こういう作品こそ本物というか
魂が揺さぶられる作品なんだな・・・と素人なりに実感(笑)
さすがは超絶技巧の絵師、スーパーリアリズムの申し子と言われるだけはありますね。
そして、おてきちはというと。。。
確かに深堀金魚は美しかったです



こういった作品が、これまでに無かった?という事の方が逆に不思議というか。。。
深堀氏が芸術に目覚めたキッカケは、祖母が長崎でお茶の先生をされているらしく
子供の頃、長崎へ遊びに行くと茶室にいっぱいあった茶碗を見るのが大好きで
その影響もあってか、美大へ行ってデザイン科を学ばれたそうです



でも最初に興味を持ったのは、やはり陶芸だったんですって(笑)
子供の頃に受けた衝撃というか、影響って大きいんですね・・・。
この題材であるテーマの金魚に辿り着くまでは、それなりに時間も要したらしく
ある日「ああ、もう美術なんてヤメテしまおう・・・」と思った時があったそうです。
その時、ふとベッドの横にあった小さな水槽が目に留まり、そこには7年前の夏祭りで
すくって来たメスの金魚が一匹、汚れた水の中でフンまみれになって泳いでいるのを
水槽の蓋を開けて彼女を上から見たその時、背筋がゾクゾクっとして。。。
汚れた水の中で赤く光る彼女の背中は怪しく、そして最高に美しかった。
「この子がきっと僕を救ってくれる」
そう信じて赤い絵の具を取り出し、彼女をモデルに筆を走らせた。
楽しい!楽しい!楽しい!
僕の探していた答えが、ヨーロッパでもなくアメリカでもなく
まさにこの部屋にあった・・・。
僕はこの日の出来事を「金魚救い」と呼んで、大切にしている


~深堀隆介作品集「平成しんちう屋」図録より一部参照~
この「平成しんうち屋」の中にある、しんちう屋(真鍮屋)というのは江戸時代初頭に
不忍池に実際に在ったという、日本で最初の金魚店の名前なんだそうです



当時は養殖&小売りを同じ人物がしていたらしく、店の周りには金魚のいけすが
たくさんあって、キラキラと黄金色に輝くいけすの様子は江戸の人々の心をつかみ
大変話題になったんだとか。。。
深堀氏は作品の中で表現したいのは、そういうキラキラ

長い時間、金魚を描き樹脂で水面を創っていると、その揺らぎの中に一瞬、普段は見えない世界が
映り込むことがあるらしく・・・金魚を描くということは、その水面に映る幻に目を凝らすような
そんな感じなんだそうですよ



モネの睡蓮からも色々と学ばれたようで。。。
あの作品は睡蓮を描きたかったのではなく、睡蓮は水面を表すための素材に過ぎない。。。
遠近法で描かれているだけで、急にそこに空気ができる。
表面についた絵の具の塊が凸が凹になるみたいな・・・
不思議なトリックアートのような感覚があって、全ては「モネの目」が見たままを描いている。
なので、人の目を意識した絵ではない。
などなど、図録には深堀氏の興味深い芸術に関する見解が示されていました


ちなみに最後の写真は、おてきちも深堀氏に影響を受けて。。。
家の冷蔵庫にあった「キラキラ」するモノを撮ってみましたよ(笑)
81歳の友人の奥さんが作られた、寒天菓子です



グミのような食感で、甘いモノがちょっと欲しい時に頂いています

Posted by
おてきち
at
10:03
│
Comments(
2
)
│
美術館・博物館
この記事へのコメント
思い出したくない・・・今まで一度も・・・一尾も救った記憶が無い・・・金魚すくい。
テクは覚えたのに、一度も、一尾も泣く・・・無く・・・。三枚だめで、おまけに貰った一尾だけ・・・かわいそうと思ってくれたのかな。
テクは覚えたのに、一度も、一尾も泣く・・・無く・・・。三枚だめで、おまけに貰った一尾だけ・・・かわいそうと思ってくれたのかな。
Posted by
た
at
2021年04月14日 21:27
た様
なるほど…そう来ましたか(笑)
聞いた話だと、金魚すくいの店を出している店主は「コイツは多く救いそうだな」と思えば
破れやすい「ポイ」を手渡すそうですよ(^-^)
なので、おてきちが想像するに、た様はきっと鋭い眼光で店主にお金を支払ったのでは(笑)
金魚すくいをする時は、間抜けな顔をして挑まないとダメなんだそうです。
あくまで聞いた話なんですけどね(笑)
なるほど…そう来ましたか(笑)
聞いた話だと、金魚すくいの店を出している店主は「コイツは多く救いそうだな」と思えば
破れやすい「ポイ」を手渡すそうですよ(^-^)
なので、おてきちが想像するに、た様はきっと鋭い眼光で店主にお金を支払ったのでは(笑)
金魚すくいをする時は、間抜けな顔をして挑まないとダメなんだそうです。
あくまで聞いた話なんですけどね(笑)
Posted by
おてきち
at
2021年04月15日 13:34
