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Posted by 滋賀咲くブログ at

2013年11月30日

カラスの壺

当尾と書いて「とおの」と読むそうです。
この地域は奈良の都に近かった為、仏たちの浄土という性格があったらしく
鎌倉時代から室町にかけて、都の名匠による磨崖仏が次々と刻まれたそうです。
それでは、張り切ってそれらの石仏を訪ねる旅を始めようぞicon22face02icon14


狭い道端の脇には、こんな感じで旬の野菜や果物、または手作りの漬物を
吊るした店(露店)があって、懐かしい山里の風景に出合えます。
お代も箱に入れる無人式で、100円均一でしたよiconN37face01icon12


トトロに出てくるような森の小路を歩いて行くと。。。
意外と風化せず、目鼻立ちがしっかりと残っているお地蔵さん
三体地蔵に出合いました!!
宝珠と錫杖を持ってトリオで彫られた、お地蔵さんの一番ポピュラーな姿ですネface06icon12


岩船寺に車を止めて、浄瑠璃寺を目指して行くその途中にある野仏を
見て歩いたのですが、大きな岩に彫られた弥勒仏や如来形の磨崖仏
その他にも藪の中三尊磨崖仏。。。
また一願不動といった 一つだけ一心にお願いすれば願いを叶えて
下さるという お不動さんもどこかにおられるそうですが、出合ってませんねiconN37face08iconN32


これは、わらい仏と呼ばれる阿弥陀三尊磨崖仏
当尾の代表的な石仏のひとつだそうです。
永仁7(1299)年の銘文があり、上部の屋根石が廂となっているので
風蝕の影響も少なく保存状況は良好なんだそうですねiconN37face01


南都仏教の影響を色濃く受け、世俗化した奈良仏教を嫌う僧侶が
穏遁の地として草庵を結び、念仏に専心したと伝えられています。
やがて草庵が寺院へと姿を変え、塔頭が並び「塔の尾根」が出来て
いつしか「当尾」と呼ばれるようになったといわれます・・・。
周囲は山、山、山日の出でその山の尾根が迫って来る感じでよく見通せました。


おっと!!コレ知ってますかぁ~iconN37face03icon14
今頃が旬なのかぁ・・・。
活け花にも使われるそうですが、よく仏手柑と間違った時期もありましたよface07


答えはフォックスフェイス
キツネ顔と言われるだけあって、本当に黄色いキツネですねiconN36face05
山道って結構寒かったから、思わず緑のたぬきや赤いきつねが食べたくなりましたface06


この石は康永2(1343)年と年代も古く、昔から分岐点にあったそうですね・・・。
岩の中央に15cmほどの穴が掘られた礎石が、粉を挽く唐臼に似ている事から
からすの壷と呼ばれているんですってicon23face02iconN07


そしてそのすぐ傍にあったのが、カラスの壷二尊阿弥陀・地蔵磨崖仏
ひとつの岩に阿弥陀如来坐像と、面を変えて地蔵菩薩立像が彫られています。
阿弥陀仏の横にある四角い穴のような箱は、線彫り灯籠と火袋が彫られていて
そこに燈明が供えられる大変珍しいモノだそうですiconN36face05icon12


磨崖仏ってこういう見方をするのが楽しいんですよね!!
下から眺めたり横からチラ見したり、真上から覗き込んだりするのが最高なんです。
ホントいい仕事してますねぇ~OKface10炎


帰り道でこんな変わったあたご灯籠にも出合いましたよ。
愛宕神は火の神様を司っていて、当尾ではお正月にここからおけら火を採り
雑煮を炊く風習があったそうですね。
何でもいいから 早く具雑煮が食べたいですぅ~icon22face05icon28    


Posted by おてきち at 17:00 Comments( 3 ) 磨崖仏

2013年11月29日

笑う象の像?

京都木津川加茂町にある、花の寺とも呼ばれている 【岩船寺】 (がんせんじ)は
歴史も古く729年、聖武天皇が行基に命じて阿弥陀堂を建立した事に始まった寺で
最盛期には、広大な敷地に三十九もの宿坊があったそうですが。。。
承久の乱(1221年)の兵火により、堂塔の大半を焼失face08炎
再建後も再び兵火で失ったそうですが、家康&秀忠らの寄進により
本堂や仏像などの修復が執り行われたそうです。


この近くには浄瑠璃寺もあって、奈良県境に近い場所に位置する
当尾(とおの)の里にあり、周辺には当尾石仏群と称される 鎌倉時代を
中心とした石仏や石塔が多数残っているという、石仏マニア必見の里なんですiconN37face10icon14


アジサイの名所としても知られ 【アジサイ寺】 とも呼ばれている岩船寺
確かにアジサイがたくさん植わっていましたface06icon12
雨に濡れて庭園を美しく彩る紫陽花が咲いた頃だと、きっとキレイでしょうね!!


境内にある池は 阿宇池
これを中心に本堂や三重塔が建っています。
小さなお寺ですが、なかなか簡素でとてもいい雰囲気ですねOKface01icon12


花の寺っていうくらいだから、今の季節だって何か咲いているハズiconN14はち
そう思って境内を探してみたら、ありましたよ・・・。
花粉をたっぷりつけた可愛いミルキーカラーのお茶花がiconN36face02iconN07


室町時代に建てられたという三重塔は、再建されているので新しいですが
実はこの塔の中にある内部壁画が特別公開されていたので観て参りました!!
平成15年に復原されたものだそうですが。。。


鎌倉時代の遺風を残す室町時代の作とみられ、その画風は南都仏画の
影響が強いと書かれていました。
こちらは正面側で、扉を開けた真正面に描かれていたのが十六羅漢図


そして、こちらが背面に描かれた五大明王像
この鮮やかな色彩で描かれた文様は 当時は権威の象徴でもあったのでしょうかね。
どうにもこうにも好めない極彩色、いつか好きになれる日が来るのでしょうかねface07icon11


以前は三重塔に納められていたという 普賢菩薩騎象像(平安時代・重文)は 
今は本堂の回廊部分になっている、本尊の後ろ側に祀られているのですが
これがなかなか素晴らしかったですiconN36face05iconN30
象に乗っているのは、普賢菩薩の像なのですが。。。
この象が不気味な笑みを浮かべながら、こっちを見てるんですよぉ~!!
あんな象に乗った日には、どこへ連れて行かれるやら怖いのなんのって・・・。
メロン熊といい勝負でしょicon23face07    


Posted by おてきち at 17:30 Comments( 0 ) 寺院

2013年11月28日

潤った庭園

気忙しくなる前に色々としておきたい事を、済ませようと計画を立てて
天気と相談しながら、庭作業に室内清掃にと日々ガンバッテいますicon22face02
数日前は縁の下に潜って、古い瓦の処分に追われ。。。
埃まみれでクシャミは出るわ、蜘蛛の巣に絡まれるわでグッタリicon23face07
でもそんな事くらいでヘコたれる おてきちではありませんicon21face03炎
返って勢いづいてしまって、ずっとどこへ埋めようかと悩んでいた瓦の
落ち着く場所が決まったので、防寒着にマフラーをして作業開始!!


じゃじゃじゃじゃぁ~んicon22face03icon14
ふふふっ・・・。コレ、コレですよ・・・。
おてきちがイメージしていた念願の瓦を使って作った青海波の庭はface06icon12


あまりの完璧さに涙がこぼれそうですねiconN36face07icon12
今年の6月頃、蒸し暑い中でカットして貰った貴重な瓦なんです。
イメージ通りに仕上がったので、久しぶりに満足ですね!!
親友も細かくチェックしながら見てくれていましたよOKface01iconN07


気持ち傾斜をつけて、手前に川砂を敷いて。。。
波に見えるようにと趣向を凝らしてみましたface05icon12
我ながら自画自賛!!毎朝、庭を眺めるのが楽しみです。
黒松の盆栽も、ええ感じに生きてますやんiconN36face08icon14


今日はご近所さんから頂いた、葉牡丹を植えて正月準備も早々と開始です。
土を触っていると手は汚れますが、気持ちはとても癒されます・・・。
今年の夏の暑さで千両や万両は大丈夫かなぁ~、って思ってましたら
何てことなく元気に可愛い真っ赤な実をつけてくれています。
植物から生命力をいただいて、年末に向けて大掃除など気合いを入れて
隅から隅までガンバルぞぉ~~~icon21face03iconN30

寒くて起き辛い朝でも、この曲yubi_2を聴くとスイッチがいきなりONになって。。。
パワー全開ですネiconN37face10
http://www.youtube.com/watch?v=5-KZUetzr_c    


Posted by おてきち at 16:39 Comments( 2 ) その他

2013年11月26日

体感温度の書

黄檗文化伝来の地、興福寺と紹介されている通称「あか寺」
そう呼ばれる由来は、この山門にあるそうです。
だけど長崎一の大きさを誇る、この総朱丹塗りの山門は
1600年代に一度、長崎大火で全焼して日本人工匠の手によって
再建されたそうですが、次に山門を襲ったのは原爆だったそうです。
その爆風によって大破したけれど。。。
また息を吹き返して立派な姿を取り戻し、多くの参拝者を迎えてくれている訳ですねface06


このお寺も、映画 『解夏』 の舞台だったみたいで。。。
山門をくぐった場所が、クライマックスシーンに登場していたそうですね。
まさに日本の中の中国って感じがする唐寺です・・・。
それにしても長崎の植木といえば、到る所にソテツが植えてあるんですねface07icon11


臨済・曹洞と共に日本三禅宗の中のひとつ、黄檗宗の開祖として知られる
隠元禅師は、望まれれば快く筆をとられたと伝えられているそうです。
その書の素晴らしさは、一心不乱に文字に集中して書くため
お坊さん自身の個性を表し、体感温度を持っている点なんだとか・・・。
確かに黄檗流の書風は、おてきちの知るところだと篆刻っぽい雰囲気かなface06icon12


かなり遠すぎて分かり辛いですが、大雄宝殿に掲げられた扁額の
大雄宝殿】 と書かれた隠元禅師の躍動感溢れる書・・・。
日本の書に新風を吹き込んだ隠元さんってスゴイiconN36face08icon14


他にも珍しいお宝が興福寺にはあって。。。
庫裡の入口にさがる巨大な魚鼓は、お坊さん達に飯時を告げるために
叩いた木彫の魚ですが、興福寺のこの明朝の風格を漂わせる魚板は
日本一美しい!!と定評があるそうですよiconN37face08icon12
しかもビックリしたのは雄雌一対で懸けられているっていうのは、すこぶる珍しいです。

写真は撮ったのですが。。。背景がゴチャゴチャしていて気に入らなかったので
アップしませんので、美しい人魚の姿でも想像して楽しんで下さいましぃ~icon23face10icon10


これは豚返しの敷居といって、放し飼いの豚が門内に入らないように敷居が高く
なっている、中国の様式なんだそうですよ!!
この敷居にブツかって、豚はトンデン返しの目に合っていたのでしょうかねface03iconN30


とにかくそんなに広くない敷地には様々な珍しい門がありましたよ・・・。
その中でも 学問の神様、孔子を祀る聖堂の遺構がyubi_1コレです!!
日本三聖堂のひとつらしく、その中でも最も古く由緒ある中島聖堂遺構大学門
このコウモリ型の門、縁起がいいですよねぇ~face05 iconN12


黄檗建築の特徴は、中国で縁起がいいとされる吉祥文様がふんだんに施されている事
縁起がいいとされるモノの代表格に、コウモリ、桃、牡丹などがあるそうですが。。。
コウモリは中国で、蝙蝠「びぇんふー」と発音し、「蝠」が「福」と同じ音である事から
中国人の最も好むモノのひとつとされているそうですよ。
そんな福を貰って、今度行ってみたいお寺は。。。聖福寺かなぁ~OKface02iconN07    


Posted by おてきち at 19:15 Comments( 2 ) 寺院

2013年11月25日

水の道

映画 『解夏』 のロケ地にもなった 【ドンドン坂
この映画は観た事ないのですが、パンフレットなどで紹介されている
情緒ある坂道を見ていると、長崎らしい石畳の坂道を ひと目見たくって
カメラ&水筒、日傘にお菓子iconN07を持って夏の終わりに行って来ましたicon23face02icon12

坂の名前の由来には色々な説があるそうですが。。。
そもそも昔は、東山手・南山手にある急な坂をドンドン坂と総称していたのが
今では、マリア園という修道院の横にあるこの坂だけになってしまったみたいです。


その中で最も有力な説は、石畳道の両脇に設置された石の側溝で
雨が降ると坂を流れる水がicon12ドンドンicon12と音をたてて流れるため
その名前が付いたとかface07icon11


長崎は坂道の多い街でもあり、雨もまた多い地域だから。。。
こういった石畳を良く見かけますが、雨水が巧く流れるよう色々と工夫されているのが
歩いて現地へ来てみると、それがよく分かりますねface06
歩きだしたら急勾配で止まらないっ!!
そんな坂道を見ていると おてきちの人生みたぁ~いicon23face10icon10


ドンドン坂は主に石畳で整備されていますが、その脇には石で作られた側溝が
設置されていて、これはオランダ溝と呼ばれるV字型(三角溝)の側溝で
汚物が入っても押し流されやすく、常に清浄な状態が保たれるよう
考えられているんですねiconN37face01
それにしても初めて見ましたよ。こんな三角溝は・・・。


この石標柱は、長崎居留地時代の遺構だそうですiconN37face01icon14
ドンドン坂の周辺にも、明治の洋館が所々に建っています。
今も住まれている洋館を見ながら、当時ここが外国人居留地であった頃を想像すると
洋装姿のご夫人がパラソルでも差して、坂を歩く光景が目に浮かびますねぇ~iconN36face03


ここにもありましたよ!!天川を使った土塀がiconN36face08iconN32
ドンドン坂の長さ 116.9m、道幅は 1.7m
側溝を含んでも狭い坂道ですが、坂から始まる出会いがあったらステキですよねface05icon12
そんな期待も持ちつつ、行った日は黒8割&白2割の野良猫が1匹
ノラノラ歩いているだけでしたけどね・・・。


おてきちの石畳の印象といったら、神社の参道や寺の山門に敷き詰めてある
石畳のイメージが強かったのですが。。。
ドンドン坂や長崎の街で見る石畳は、どこか洋風な印象を受けるのは何かなぁ~!?
って思ったら、切石を斜めに敷き詰めてあるからなんですネiconN37face01
ある意味、納得しましたよOKface02icon24    


Posted by おてきち at 15:45 Comments( 0 ) 風景