素材を活かす

おてきち

2021年02月04日 15:30

1964年の東京オリンピック時に見た、丹下健三の国立屋内総合競技場に衝撃を受け
幼少期より建築家を目指してこられたという・・・長崎県大村市出身の隈研吾氏の
新しい公共性をつくるためのネコの5原則」を、県美術館へ見に行って来ました。

国内外の隈建築の中から、公共性の高いものを中心に36件が選ばれていて
その中には知っている建築も数点あったりと、木製で制作された建築模型が
なんとも緻密で、長時間観ていても飽きないほどに美しいモノたちばかりでしたね。


また関連企画の中には、YouTubeライブ配信だったようですが。。。
対談01「長崎とわたし」では
隈研吾、保坂健二朗(本展キュレーター/滋賀県立近代美術館館長)と記されており
えっ!?近美の館長って、まさかの元東京国立近代美術館にいたという
ちょっと話題性の強い?若手館長が就任されていたとは・・・そっちの方がビックリ(笑)
これからの近美の方向性が、少々楽しみでもありますね


しかし建築という専門的分野の展示というのは、文章で読むのも書くのも意外と
難しく、直接観て感じたことを伝えればイイのだろうけど。。。
またそれもどのように書けばイイのやら(笑)

なので、説明文的な感じになると思うけど、それと写真とでイメージして頂ければ
まずいきなりですが、以前、太宰府に行った時、撮ったのは表からだけでしたが
【スターバックス コーヒー 太宰府天満宮 表参道店】


これを手掛けられたのも 隈研吾氏だったんですね!!
自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトのもと
伝統的な木組み構造を用いた特徴あるデザインになっています

内部空間を覆い尽くすX型の木組みは、長さ1,3~4メートルの6センチの角材(杉材)が
約2000本使われており、そのスティック状の杉材の全長は4キロにも及ぶそうですから
コーヒーを飲みながら、充分に沐浴も出来そうなカフェですな


こういった伝統的な木組み工法は、日本の木の匠たちが伝えて来た「地獄組み
という名の強度の高いジョイントシステムを、建築に応用することで都市の中に
細い木材を使って、森のような空間を作ろうと試みた結果のようです・・・。

他にも色々気になった建築はあって、栃木県の宝積寺駅前に大谷石を使った
【ちょっ蔵広場】は、古い米蔵2棟を保存再利用し、それを核としながら
鉄板を組み合わせたボーラス(多孔質)なディテールへと置き換えることで
閉鎖的になりがちな石の建築を、開かれたものへとイメチェン?され
新しい駅前広場をデザインされた建築なども、おてきちは好きですね


それと目に留まったのが【梼原 木橋ミュージアム】雲の上のギャラリー!!
雲の上のホテル」と「雲の上の温泉」を結ぶ連絡通路兼ミュージアムだそうですが
これってTVで見た記憶があるような。。。


四万十川源流にある梼原町に伝わる、木の橋の伝統を新しい木造技術を用いて
中央を鉄骨と木を組み合わせて作った支柱で支え、日本建築でいうところの
軒を支える技術「斗栱(ときょう)」を用いて、伝統的な木材表現をモチーフとし
木漏れ日のような光と影を作り出すような・・・
そういった建物を目指された建築が、とても美しかったですね


これに似たような建築模型を思い出したのが、出雲大社復元模型
かつて出雲大社は、空中にそびえるように高かったと言われているそうですから
雲に伸びるように続く長い階段を、ふと連想してしまったじょ

刎木(はねぎ)を何本も重ねながら、桁を乗せていく「やじろべえ型刎橋(はねばし)」は
世界でも類を見ない架構形式による唯一の建物だそうですから。。。
高さもあって、下から眺めてもきっと圧巻でしょうな
なんだか、仏壇細工のようにも見えて来たような(笑)

参考までにどうぞ!!
http://www.town.yusuhara.kochi.jp/kanko/kuma-kengo/gallery.html


建築マニアでなくとも、使われている素材が、やわらかいというか。。。
天然素材が多いせいか、観ていて疲れないのと
子供のころに遊んだ積木を思い出したりして、懐かしくもあり。。。
またその工法全てが新鮮でもあり、クマさんって素材のマジシャンだなって思ったりして(笑)
明日も続きます。
参考までに隈建築の全てはこちらから
https://kkaa.co.jp/timeline/




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