野の花のような

おてきち

2019年11月09日 15:36

民藝の美、ことさらに美を意識しなくとも、庶民のための器や布は職人が伝統の技と
素材で正直に作ると、おのずと美しい工芸品になっている。
なぜ普通に作って、こんなに美しくなるのか?
この不思議に気付いた柳宗悦は、仲間とともに考え。。。
民衆的工藝 (民藝) と名付けました。
時代とともに生活様式も変わり、手仕事の品を使うことも少なくなりました。
しかし、こんな時代だからこそ民藝の伝統を絶やさず、ぬくもりのある 「美の暮らし
を願うのが、民藝運動です


2019年11月6日(水)~10日(日)まで、KTNギャラリーにて
長崎民芸協会の歩み 【民藝と暮らす】 が開催されているので、ワクワクしながら
張り切って初日の朝イチで覗いて来ました
以前、ブログでアップしたカリー&工芸 「」 を営んでおられる 庄司宣夫氏の姿もありましたが
どうも新聞記者のような男性に、民藝について詳しく色々と説明をされている最中でした。


カメラはOKですか?と、近くにおられた女性に確認をしてから。。。
見るとこ、見るとこ、おてきちの大好きなモノばかり!!
興奮しつつも、ここは冷静さを失うことなく・・・しっかりとポイントを押さえて結構な枚数を
撮って参りましたので、キャプションの説明とともに見て行きたいと思います


1枚目の写真ですが、これは武雄の弓野窯の 「松絵の甕
水道もポリ容器もなかった時代、こういった甕は必需品だったワケですね
秀吉の朝鮮侵攻の折、大名たちは多数の朝鮮陶工たちを連れ帰り。。。
武雄の陶工たちは、こういった甕や大皿など大型陶器を焼き、後の小石原や小鹿田焼きの
基礎となったそうです


そして近年では武雄の古陶が、注目されているそうですよ
甕の横には李朝のお膳なども並んでいました。
日本と朝鮮は古くから交流があり、生活風俗が似ているところが多いのです。
お膳で食事をするのも日本と同じらしく・・・朝鮮ではお膳を大切にし発達しました。
質素ながらも形は良く、風格を感じます。
シンプルの中に美を見るのは、東洋人の感性なんだそうですね


三彩の大鉢でしょうか・・・これは確か沖縄産だったと思いますが。。。
その横の壺は、小石原の 「雲助(うんすけ)」 と書いてありました
日本は諸外国に比べ、伝統の手仕事がたくさん残っているそうですが。。。
なんか久しぶりにこういったオーラを持った、焼き物を見ることが出来て満たされた感が
あるし、もしあのタイミングでカリー&工芸 「」 に行っていなければ
これだけの民芸品には、お目にかかれなかったワケですからねぇ。。。


この長崎民藝協会は、日本民藝協会 (本部は東京駒場日本民藝館内) に所属されており
民藝の趣旨に沿った活動、講演会、研修旅行、工芸作家の支援などを行い
今年で創立61年を迎えられた記念に、こういった企画展示を開催されたようですよ
美術館で観るのとは違い、こうやって近距離で観ることが許されるのも嬉しい展示ですよね!!


ついつい焼き物を見つけると撮りまくってしまいますが(笑)
こちらの大皿は、ベトナム・安南焼だそうです
室町末期~江戸時代頃に安南 (ベトナム) から渡来した焼物で
どちらかといえば、茶人に好まれたモノみたいですね
呉須色は黒ずんで鈍く、文様はどちらかと言えばモヤッとした雰囲気のモノが多いのかな?


個人の愛用品なども展示されていて、その中にはこのようにオシャレな湯たんぽもあって
おてきちは初めて見ましたが、最初は陶器の枕かな?と思ったけど湯たんぽだったとは(笑)
今では置く場所もなく、庭に転がっています。というコメントも添えられていましたが。。。
確かに・・・この図柄だったら庭に置いてあげた方が、まさに野の花のように!!
というテーマに相応しい、ステキな湯たんぽとの出合いでしたね
お楽しみは明日も続きます。




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